夢魔の言葉
宇宙が広がり始めたのは
昨日からじゃない
新しいことは
あるもんじゃない
ぼくらは
歩かない
足元にやみを吐き出し
罪の石に躓かない
やみは
一つじゃない
ぼくらも
一つじゃない
覆われて
ぼくらは見えない
けれど
ことばを一つ
忘れない
ちっけった
深刻な人たち
相談している
てるてる坊主が
相談している
結論は
いつもシンプル
罪の
罰の
阿鼻の
叫喚の
悪夢はない
人は人
夢魔は親しい
人は
見知らぬことばを口ずさむ
あいうえお
言葉は
豊かになった
歩いていって
目の前に
人の世は
夢魔の言葉
もう滅びている
人の世は
バクテリアが
増殖している
次があるとは
限らない
人は詩を導く
確かな言葉を
人は知らない
ぼくは書かない
知らぬ間に
脅かされている
ぼくより
早く走る
追いつく前に
しでかしている
駆け抜けるころ
ここにいる
ぼくは
考えている間に
砂漠に
化石が
ふるさとまとめて
勝って
悔しい
(20.7.7.)
