ことばたち
明け方の眠りと目覚めのさかい目に
やってくることばたちがある
波のように打ちよせ
そして引き
からだのいたみや
心の不安をたねにして
ことばになっては崩れ
深刻さを装い
凝固し
そして溶け出していく
ことばはこころの海からやってくる
無意識の大海から
打ちよせるわずかな意識が
手あたりしだいに言葉をつかまえ
意味をもつふりをする
目覚めのおそい朝
ぼくはカーテンをしめたまま
紙とえんぴつをさがしてことばをかきつける
生まれてはすぐ消えてしまう夢のような無意識を
ことばにすることが今の私の仕事だと
仕事だと
そんなに気負いこんでいいものなのか
羞恥心ととまどいが別の波を呼ぶ
詩は
人のすべてをたねにして
よろづのことのはとなりける
川の流れがきこえる
目覚めとは
内部の感覚から外部の感覚へ
バランスが移行していくこと
昼も夜も
私は目覚めと眠りを往復し
詩を書き続けている
(20.7.9.)
